
幹細胞療法
幹細胞療法について

幹細胞とは、さまざまな細胞を生み出す「種」となる細胞です。本療法では、体内のさまざまな細胞を作り出すことができる「間葉系幹細胞」を脂肪組織から採取し、増殖させて点滴します。
傷ついた細胞の修復・再生を促すことにより、身体をより健康な状態へと導きます。当院では、脳梗塞後遺症の改善と動脈硬化の治療を目的としています。
対象者
- 脳梗塞後遺症がある方
- 動脈に基準以上の動脈硬化性変化をお持ちの方
※禁忌事項に該当する方は、受けていただけません
脳梗塞の後遺症には、運動障害や認知症などの高次機能障害があります。いずれもリハビリや内服薬で対応することがほとんどですが、その効果は限定的であることが多いのが実状です。その脳梗塞後遺症に対して、「自分の骨髄の中に存在する間葉系幹細胞を体外で培養して量を増やした後、点滴で体内に戻す」治療が功を奏するという報告が、昨今、国内外でなされています。同様の効果が、脂肪由来の間葉系細胞でも期待できます。当院では、他の治療では効果を出すことが難しいとお考えの方を対象に、治療を行ないます。
動脈硬化が進行すると動脈が狭くなり、心臓や脳、そして足の筋肉などへの血流を低下させ、心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などをもたらします。動脈硬化の予防には、生活習慣病の予防や必要に応じた薬物治療が必要です。一方、生活習慣病関連以外にも動脈硬化のリスクがあることが知られており、「残存リスク」とも呼ばれています。脂肪由来間葉系幹細胞療法は残存リスクに対して、抗炎症作用などによって対処します。
治療メカニズム
- 神経栄養因子による神経栄養保護作用
- 血管新生作用による脳血流の増加
- 神経再生作用
- 抗炎症作用による血管病変の進行抑制
骨髄または脂肪由来間葉系幹細胞療法の効果が報告されている病態
- 脳梗塞後遺症(脳血流障害による症状)
- 糖尿病性合併症
- 心筋梗塞後遺症
- 肝障害
- 糖代謝
- アトピー性皮膚炎
- にきび後遺症
- その他
治療の流れ
1診察
現在の身体の状態・病歴など、医師がじっくりと診察いたします。
2治療前検査
神経機能の検査 / 頭部の画像検査 (MRI・MRAまたはCT) / 血管の検査 / 血液検査を行います。
※年齢や性別に応じて、 追加の事前検査をご提案する場合があります。
※血液検査の結果により、治療を中止させていただく場合があります。
3採血・脂肪採取
採血:培養や検査に用いる血液を採血します。
脂肪の採取:腹部の「へそ」のシワの間から採取します。
局部麻酔を行うため、通常痛みなどはほとんどありません。
脂肪採取日の変更・キャンセルについて
採血・脂肪採取予定日の2日前までにご連絡ください。それ以降の変更・キャンセルはできません。
4培養
採取した脂肪組織は、専用運搬業者によって、提携細胞加工施設へ輸送されます。
細胞加工施設では、脂肪組織から幹細胞を分離して、無菌状態で培養します。投与できる状態になるまで、約3~4週間が必要です。
※まれに培養が順調に進まない場合があります。その場合は原則として、培養を中止し脂肪採取などをやり直します。この場合、追加の費用は発生しません。
5点滴投与
健康院クリニックにて、1~1.5時間の点滴投与を行います。通常の点滴と同じ方法ですが、より安全性に配慮した器具を用います。
点滴投与日の変更・キャンセルについて
投与予定日の2週間前までにご連絡ください。それ以降の変更・キャンセルはできません。
※採血・脂肪の採取を行った日から、 最長1年間は投与可能です。
6経過観察
2か月に1度、来院または電話にて、経過観察のための診察を行います。
7治療後検査
治療前検査と同様に、神経機能の検査 / 頭部の画像検査(MRI・MRAまたはCT) / 血管の検査 / 血液検査を行います。
届出
健康院クリニックは、厚生労働省に再生医療等提供計画を提出し、「第二種 再生医療等提供計画番号」を取得しています。
- 自己脂肪由来間葉系幹細胞を用いた静脈注射治療:PB3180008
料金
自己脂肪由来間葉系幹細胞療法 | 2,046,000円(税込) |
---|
- ・期間・回数などに関しては、医師にご相談ください。
- ・初診料(22,000円税込)・再診料(5,500円税込)を別途いただく場合があります。詳しくはお問い合わせください。
治療の中断・キャンセルについて
治療の途中で同意を撤回された場合、費用の一部をご負担いただきます。
初回診察のみ | 初診の方 22,000円(税込) 再診の方 5,500円(税込) |
---|---|
初回診察・治療前検査 | 255,200円(税込) |
初回診察・治療前検査・脂肪採取・培養 | 1,527,900円(税込) |
初回診察・治療前検査・脂肪採取・培養・幹細胞点滴 | 2,038,300円(税込) |
- ・脂肪採取のキャンセルは、実施予約日の2診察日前まで承ります。
- ・幹細胞点滴のキャンセルは、実施予約日の2週間前まで承ります。(培養した幹細胞の保管期間は、採血・脂肪の採取を行った日から。最長1年間です)
受けられない方
- がんの治療中の方
- 薬剤アレルギーの方
- 妊娠の可能性がある方
- 授乳中の方
- その他医師が不適当と判断した方 など
安全性・副作用
細胞自体はご本人のものであるため、拒絶反応などの心配はありません。静脈投与後、まれに発熱やだるさなどを感じる場合がありますが、ほとんどは数日以内に収まります。
万が一、症状が収まらない場合は、当院までご連絡ください。
幹細胞点滴後に肺梗塞(肺の細い血管に細胞が詰まること)が発症した例が他院で1例報告されています。
当院ではこの予防に配慮した点滴方法をとり、万が一発生した場合にも充分対処できる管理体制を整えています。