仮想内視鏡CT検査

仮想内視鏡CT検査について

CTによる内視鏡検査-「仮想」内視鏡

『仮想内視鏡』は、胃カメラ・大腸カメラを体内に挿入せず、CTで身体の外から撮影して胃・大腸などを調べる検査で、「バーチャル内視鏡」とも言えます。大腸検査は「CT colonography(コロノグラフィ)」と呼ばれることもあります。
CTで身体を外から撮影するだけで、身体の中にカメラを入れたかのようなリアルな3D画像を取得し、細部まで確認することができます(発泡剤の使用や短いチューブの挿入(二酸化炭素ガス注入のため)はあります)。 カメラの挿入がないため苦痛や危険が少なく、内視鏡検査が苦手な方にもおすすめの検査です。

仮想内視鏡の特長

Point01身体に負担が少ない、胃・大腸の検査

『仮想内視鏡』の最大の特長は、胃カメラ・大腸カメラを挿入しないことにあります。口や鼻、肛門からカメラを挿入することによる苦痛がなく、苦痛を軽減するための麻酔などを行う必要もありません。(胃CTでは上腸部の膨満感、大腸CTでは腸部全体の膨満感があります。)検査時間もわずか5~10分ほどと、内視鏡検査の3分の1以下です。またカメラを体内に挿入しないことにより、出血・穿孔などの危険(※)がほとんどありません。ただし、腹痛などの症状がある方や病気による狭窄や癒着などが疑われる方は専門医療機関での検査が適切であると考え、当院では行わないこととしています。
(※出血・穿孔などの危険:内視鏡検査ではごくまれに、消化管の出血・穿孔(せんこう、穴が開くことがあります。)

Point02胃・大腸の内部に加えて、外観も確認

内視鏡検査は臓器の内部のみを診る検査ですが、『仮想内視鏡』では胃や大腸の内部を3D画像で鮮明に描出するだけでなく、臓器の外観も確認します。胃の検査時には膵臓・肝臓・胆嚢・腎臓など、大腸の検査時にはこれらに加えて骨盤内臓器の状態も同時に確認できます。

Point03異変が見つかった場合には、内視鏡検査が必要

『仮想内視鏡』ではカメラを挿入しないため、組織採取などの処置を行うことができません。そのため検査で異変が見つかった場合には、内視鏡検査を受けていただき、組織を採取する生検やポリープの切除を行うことになります。その場合には、当院より消化器内科専門医をご紹介します。
当院では「病気かどうか」を調べるための定期的な健診として『仮想内視鏡』をご活用いただき、すでに病気またはその疑いがある方には内視鏡検査の受診をおすすめしています。

仮想内視鏡でわかること

当院では、胃または大腸を『仮想内視鏡』で検査することができます。
胃の検査であれば胃がん・胃ポリープ・胃潰瘍を、大腸の検査であれば大腸がん・大腸ポリープ・大腸憩室を中心に調べます。『仮想内視鏡』は、内視鏡検査では見落としやすいと言われるひだの裏や屈曲が強い部分の観察に優れています。また病病変の位置・大きさ・立体的な形状を正確に把握できることが、『仮想内視鏡』の特長です。
さらに臓器の周囲も確認できます。胃の検査時には膵臓・肝臓・胆嚢・腎臓など、大腸の検査時にはこれらに加えて骨盤内臓器の状態も同時に確認できます。

※5mm以下の小さな病変や平坦型(表面型)の病変や、炎症性の病変の発見には適しません。(一般的に内視鏡治療が必要とされている6mm以上の病変は発見が可能です)
※細胞診などの外科的な処置を行うことはできません。

『胃仮想内視鏡(胃CT)』

『大腸仮想内視鏡(大腸CT)』

内視鏡検査との比較

身体への負担

仮想内視鏡 内視鏡検査
検査前の食事制限、下剤服用 あり
※下剤服用は大腸検査のみ
あり
※下剤服用は大腸検査のみ
検査方法 胃 :発泡剤を服用しCT撮影
大腸:二酸化炭素ガスを挿入しCT撮影
胃カメラ・大腸カメラの挿入
検査時間 胃:5分 大腸:15分 約30分
※処置によって異なる
麻酔 なし 希望により
X線被ばく あり なし

検査の精度

仮想内視鏡 内視鏡検査
5mm以上の病変の発見
5mm以下の病変の発見
平坦型(表面型)の病変の発見
炎症性病変の発見 困難
病変の立体的な形状の把握
ひだの裏や屈曲の強い箇所の観察
胃・大腸以外の臓器の確認 困難
病理組織診断(細胞診) 不可

異変が見つかった場合

仮想内視鏡 内視鏡検査
内視鏡検査の受診が必要 検査と同時に処置が可能
(細胞診やポリープ切除など)

定期的な健診目的であれば『仮想内視鏡』、すでに病気またはその疑いがあり外科的な処置も行う可能性があれば内視鏡検査※をおすすめします。当院では、一人ひとりの身体の状態・病歴・ご要望に合わせて、最適な検査内容をご提案いたしますのでどうぞご相談ください。
※当院では内視鏡検査は実施していないため、内視鏡検査が適していると判断した場合には他の医療機関をご紹介いたします。

こんな方におすすめです

  • 40歳以上の方
  • 定期的な健診では、身体への負担をなるべく少なくしたい方
  • 内視鏡検査でつらい・苦しい経験をした方

検査の流れ

『胃仮想内視鏡(胃CT)』の流れ

1ご予約・お電話によるお伺い

当院を受診していただくにあたり、下記のような個人情報を確認させていただきます。

  • お名前
  • ご連絡先
  • 生年月日
  • 現在の症状や治療中の病気、これまでに罹った病気
  • これまでに受けられた手術
  • 現在の服薬状況
  • 体内金属の有無(ペースメーカー・人工内耳・金属製の義眼など)など

これらは「安全に検査が実施できるかどうか」や「服用中の薬を検査前に飲んでよいか」などに関わる重要な情報ですので、お電話にて必ずお伺いいたします。
これらの情報を確認させていただいた後、ご予約の日時を調整・確定させていただきます。

2検査前日

食事制限、水分摂取の制限はありません。食物繊維の摂り過ぎには注意してください。

3当日

検査を受ける時間に応じて、食事制限、水分摂取の制限があります。

午前に検査を受ける方
朝食・水分ともに摂取しないでください。

午後に検査を受ける方
検査を受ける6時間前から、食事・水分ともに摂取しないでください。

ご予約の日時にご来院ください。「受診の流れ」に沿って、進行します。
受診にかかる時間(ご来院からお帰りまで):初診の方  1時間 / 再診の方 30分

4検査後

検査結果のレポートは、約2週間後に完成します。他の検査と組み合わせた場合は約1か月後になることがあります。検査結果のご用意ができ次第、当院より連絡を差し上げます。
結果については、院長からの結果説明(再診料5,500円)と結果レポート郵送のいずれかをお選びいただけます。

『大腸仮想内視鏡(大腸CT)』の流れ

1ご予約・お電話によるお伺い

当院を受診していただくにあたり、下記のような個人情報を確認させていただきます。

  • お名前
  • ご連絡先
  • 生年月日
  • 現在の症状や治療中の病気、これまでに罹った病気
  • これまでに受けられた手術
  • 現在の服薬状況
  • 体内金属の有無(ペースメーカー・人工内耳・金属製の義眼など)など

これらは「安全に検査が実施できるかどうか」や「服用中の薬を検査前に飲んでよいか」などに関わる重要な情報ですので、お電話にて必ずお伺いいたします。
これらの情報を確認させていただいた後、ご予約の日時を調整・確定させていただきます。

2必要書類・物品の送付

ご予約確定後、検査に必要な書類・物品を送付いたします。
お送りした薬剤は、検査2日前からご使用いただきます。

お送りする物品
検査食、下剤、造影剤、説明書

3検査2日前

就寝前に下剤を飲んでください。(コップ1杯以上の水に液状の下剤を指定の滴数溶かして飲みます)

4検査前日

朝食・昼食・夕食は検査食と造影剤(1回分32ml)を飲んでください。また、夜に下剤を2種類飲んでください。

5当日

前日の就寝前に下剤を飲んで以降は、検査終了まで一切何も口にしないでください。
※午後に検査を受ける場合、ご案内が異なります。

ご予約の日時にご来院ください。「受診の流れ」に沿って、進行します。
受診にかかる時間(ご来院からお帰りまで):初診の方  1時間 / 再診の方 30分

6検査後

検査結果のレポートは、約2週間後に完成します。他の検査と組み合わせた場合は約1か月後になることがあります。検査結果のご用意ができ次第、当院より連絡を差し上げます。
結果については、院長からの結果説明(再診料5,500円)と結果レポート郵送のいずれかをお選びいただけます。

※両検査ともに、検査日前に事前来院する必要はありません。

料金

胃仮想内視鏡(胃部CT) 44,000円(税込)
大腸仮想内視鏡(大腸CT)
※検査食込
77,000円(税込)

※大腸仮想内視鏡(大腸CT)は検査食込みの料金です。

  • 上記以外に、初診料(22,000円・税込)・再診料(5,500円・税込)が別途かかります。
  • 通訳が必要な場合は、別途メディカルフィーをいただきます。

注意事項

※下記のような方は、医師の判断によって、受けていただけない場合があります。また、下記以外にも治療中の疾患がある方は、ご相談ください。

  • 腹部にペースメーカー・体内埋込型除細動器をご使用中の方
  • 妊娠中・妊娠の可能性のある方
  • 前処置(前日に下剤などが正しく服用できない方)ができない方
  • 大腸ポリープ切除直後、腸管の手術直後の方
  • 現在何らかの腹部症状がある方
  • 腸閉塞(イレウス)が疑われる方
  • 穿孔リスクの高い方(閉塞性疾患、ヘルニア、高度の憩室症)
  • 病気による狭窄や癒着などが疑われる方
  • ステロイドを長期服用している方や透析中の方
  • その他医師が不適当と判断した方