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院長ブログ

星座と身体

 星の並びをむすびつけて動物や道具、神話の登場人物になぞらえる星座は都会の空ではあまり見ることはできません。それでも、流星群のニュースや新しい宇宙望遠鏡の話題の中で取り上げられる時には思い浮かばれますが、仕事柄か星座のイメージが自分たちの身体のイメージに重なります。

 たとえば、有名な北斗七星は7つの星が平面に並んでいるわけではありません。地球との距離で分けると、50光年が2つ、60光年が1つ、80光年が2つ、120光年が1つとさまざまです。冬の大三角に至ってはペテルギウスが500光年、プロキオンが11.4年、シリウスが8.7年と、宇宙の奥行を感じます。

 私たちの身体をつくる細胞は出来上がってからの時間が異なります。受精卵からの時間はすべての細胞で同じですが、それぞれの臓器や組織で機能を果たせるように「成熟」してからの時間が異なります。これは成熟してから役割を終えて新しい細胞に置き換わる時間、いわば細胞ごとの寿命が異なるからです。

血液細胞だけ見ても赤血球は約120日、白血球のうち顆粒球は5-6日、リンパ球は10~20日や数か月~数年、血小板は8~10日と多様です。皮膚は約1か月で入れ替わりますし、肝臓や腎臓の細胞は早いもので1か月、遅い細胞でも約1年で置き換わるようです。骨でさえ数年ですべて置き換わります。入れ替わっていく細胞を支えるのが幹細胞です。一方、神経細胞や心筋細胞の中には生涯置き換わらないものもあります。星で言えば最も遠い星です。

 星座は異なる時に発せられた光からなり、私たちの身体は異なる時にできた細胞からなるとも言えるでしょう。

 ちなみに星座の数は国際天文連合によって88に決まっているそうです。