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院長ブログ

肥満・肥満症・メタボリックシンドローム その①

 肥満症の治療薬が話題になっています。以前からマジンドールという肥満症の治療薬がありましたが、最近注目されているのは糖尿病の治療にも用いられるGLP-1受容体作動薬というタイプの薬です。

 さて、肥満と肥満症は異なります。肥満は太っていることですが医学的には、㎏で表した体重をメートルで表した身長で2回割って算出するBMI(body mass index)が25以上の場合、肥満といいます。例えば身長が1.7メートルの場合、BMIが25であることに相当する体重は1.7 x 1.7 x 25 = 72,25 ㎏ですから、これ以上が肥満と判定されます。35以上は高度肥満です。肥満は病名ではなく状態です。肥満症は疾患であり、「肥満に起因ないし関連する健康障害のいずれかを合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患」(肥満症診療ガイドライン2022)です。また、肥満であって、肥満に起因ないし関連する健康障害をもっていなくても内臓脂肪蓄積がある場合は肥満症と診断されます。肥満症は心血管病をはじめとする重大な病気につながる疾患としてとらえられています。

 ここでいう「肥満に起因ないし関連する健康障害」は11項目にのぼります。少し長くなりますが列記します。

  • 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 高尿酸血症・痛風
  • 冠動脈疾患
  • 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患
  • 月経異常・女性不妊
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  • 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
  • 肥満関連腎臓病

 肥満とこれらの健康障害との関連は一通りではありません。肥満を解消することによって改善する可能性がある健康障害や肥満が併存することによって心血管病のリスクが高くなる健康障害が考えられます。内臓脂肪蓄積は11項目に含まれていませんが、 後者の例になります。内臓脂肪蓄積を中心にした病態であるメタボリックシンドロームについては次回のブログで振り返りたいと思います。