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院長ブログ

花粉症ふたたび

 院長ブログを開始して早1年となり、今回が第50回です。ビタミン、糖やアミノ酸の代謝、体内時計や寿命、感覚や体力など、予防医療の診療と関連することを中心に取り上げてきました。この時期は花粉症に悩まされる方が多いことから、昨年3月15日のブログは「花粉と食物」と題しました。この時は花粉に対するアレルギーがある場合、特定の食物にもアレルギー反応を示すこと、つまり交差反応を紹介しました。こうして見ると1年があっという間です。

 毎日の天気予報でも花粉の飛散情報が伝えられますが、花粉の飛散量はその日の天候だけではなく昨年夏の日照時間や気温が関連します。昨年夏は東日本の日照時間が長く、西日本は平年並み、中国・四国では平年よりも短かかたため、今年の花粉飛散量は東日本に多いのでしょう。花粉症の発症率は全国平均が55%のところ、70%を超える県もあり、東日本の県が発症率上位の多くを占めています。これらの県では花粉量が増加しています。

 花粉症の季節の対策としては家の中に花粉を持ち込まないことが推奨されています(日本気象協会)。屋内に入る前に衣服に付いた花粉を落とすこと、衣服は花粉が付きにくい素材のものにすることなどが考えられます。マスクや眼鏡を活用することも有効でしょう。花粉症の影響は経済活動の面からも注目されており、花粉症による経済的損失は日本全体で一日あたり2340億円にも上るという推計があります。政府は今後10年間に人工林を2割減らすことや、30年後に花粉発生量を半減することを目標にしているとのことです。

 花粉症はアレルギー反応ですから、発症予防や症状悪化の防止には免疫の調整がうまく働くことが大切です。そのためにも食物繊維、水分、発酵食品をしっかり摂り、適度な運動をすることなどで腸内環境を整えましょう。