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院長ブログ

2つのPFAS

1つの略称が全く異なる起源をもつことがあります。PFASもその1つです。

 ニュースなどの報道で取り上げられるPFASはほとんどが有機フッ素化合物である「Per and Poly Fluoro Alkyl Substances」(ペルフルオロアルキル化合物ならびにポリフルオロアルキル化合物)の略称です。PFASにはさまざまな化合物が含まれ、単体のもの(モノマー)もあれば複数がつながったもの(ポリマー)もあります。PFASは分解されにくく、滑りがよく、熱や紫外線に強い、電気を通さないなどの特性を持ち、さまざまな用途に使われてきましたが一部のPFAS、特にPFOSやPFOAが人間や他の生物に悪影響を与えることが危惧されています

 もう一つのPFASは花粉⁻食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome)の略称です。食べ物を摂取したすぐあとに口唇や口の中、喉や耳の奥などの局所に痒みなどのアレルギー症状が出現するタイプの食物アレルギーは口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome、OAS)と称されていますが、OASの多くは花粉症をお持ちの方に生ずるためPFASとも呼ばれます。

花粉症の原因(アレルゲン)としてはカバノキ科(シラカバなど)の花粉が多く、アレルギー反応の引き金になる食品は、モモ、リンゴ、サクランボ、キウイなどの果物です。

花粉症は原因物質(アレルゲン)である花粉とそれに対する抗体が反応することで発症します。花粉に対する抗体が特定の食品中のアレルゲンとも反応すること(交差反応)が花粉⁻食物アレルギー症候群(PFAS)の原因です。PFASの症状は口腔内などの局所にとどまることがほとんどですが、他の臓器や全身のアレルギー症状(アナフィラキシーを含む)を引き起こすこともあります。花粉症罹患者が増加している現在、PFAS罹患者も増えているようです。食事の際に口の中の違和感を覚える場合はPFASも疑ってアレルギー専門医を受診するとよいでしょう。