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10月20日は世界骨粗鬆症デー
10月は健康増進や疾病予防を目的とする記念日が多い月です。乳がんの早期発見・早期治療の大切さを伝えるピンクリボン月間は毎年10月に設けられ、食生活改善普及月間や体力つくり強化月間も10月です。10月10日は目の愛護デーと世界精神保健デー、10月11日はLDL-コレステロールの日です。そして骨粗鬆症の予防に関連する日が2つあります。その一つが10月8日の「骨と関節の日」、もう一つが10月20日の世界骨粗鬆症デーです。
世界骨粗鬆症デーは国際骨粗鬆症財団(International Osteoporosis Foundation:IOF)と世界保健機構(WHO)が共同して1998年に制定されました。その活動の目的は骨の健康を守り骨折を予防するための情報を広く啓発することです。国内でもこの日に合わせて各地で骨粗鬆症予防をテーマにしたイベントが開催されます。今年は松本城や姫路城、明石海峡大橋などがブルーにライトアップされるようです。
骨粗鬆症は主に骨密度の低下による骨強度の低下が進んだ状態であり、転倒時に太ももの付け根(大腿骨近位部)や手首の骨(前腕骨遠位端)を骨折しやすくします。また、転倒しなくても背骨がつぶれるように変形する場合があります。これが脊椎椎体骨折であり、骨粗鬆症による骨折の中で最も多いものです。
骨密度が低下した状態では症状はなく、気づかないうちに骨折のリスクが上昇していることが骨粗鬆症の怖い点です。骨粗鬆症検診などで自分の骨の状態を知ったうえで、予防や早期治療に取り組むことが望まれます。しかしながら自治体が取り組む公的な骨粗鬆症検診受診率は現時点で5%ほどです。
2024年4月から実施されている「21世紀における健康づくり運動『健康日本21(第3次)』」での目標の一つに、この受診率を2035年までに15%に上昇されることが掲げられています。この目標は現実的なものかもしれませんが決して高いものではありません。検診の精度を上げるには、骨粗鬆症リスク(閉経を含む)を持つ人はDXA(2重エネルギーX線吸収度法)によって腰椎と大腿骨近位部を測定することが理想ですが対象者全員に実施することは容易ではありません。
近年はフレイル対策やロコモ対策も活発になっています。その活動の中で骨の健康作りについても啓発していくことも大切だと思います。